日本で国際大会開催が夢!

――2016年のデフワールドカップを経て、2017年のデフリンピックでの目標は?

松元「6月のワールドカップは、世界との差を改めて感じた大会となりました。貪欲さ、タフネスが日本には足りませんでした。予選はディフェンディングチャンピオンのロシアと対戦しましたが、前半は2-1で勝っていたのです。ところが後半になって、ロシア選手は目の色を変えて挑んできました。結局攻めに攻めまくられて後半のロスタイムに得点を奪われ逆転負け。技術や身体能力の差以上に、ボールに対する執着心やどんな方法でもいいから奪い取ってやるというメンタル面での差を痛感しました」

松本「日本も確かにレベルアップはしていると思いますが、世界もレベルアップしていて、それについていけていないと感じました。そこをどう追いつくかは、卓巳くんが話している通り、あとはメンタル面だと思います」

松元「今度こそはメダルを取りたいとは言い続けているのですが、2017年のデフリンピックでは、まず予選リーグを確実に突破して決勝トーナメントに進出することが大切だと思っています。最近は障がい者スポーツへの関心が高くなってきていますがデフサッカーについてはまだまだ知らない方が多い。国際大会も国によってはスタジアムというより“運動広場”のようなところで試合をすることもあります。その一方で、2009年に台湾で行われたデフリンピックではデフサッカーのためにスタジアムを新設し、テレビのニュースやコマーシャルでも連日情報が発信されているといった好環境の下でプレーすることができました。常にこういった環境でプレーできるようになるためには、まず自分たちが好戦績を出して一人でも多くの方にデフサッカーの面白さを知っていただくことから始めなければなりません」

松本「日本でデフサッカーの試合を見ていただく機会がほとんどないのが残念です。そういった機会を作っていくのも課題の一つだと思います。デフサッカーの代表チームは、新しい選手がどんどん入ってチームが新陳代謝しており、確実にレベルアップしています。日の丸を背負ってプレーするという誇りをもって、良い結果につなげていきたいです」

松元「まず自分たちが強くなっていくこと、そして、強さと想いを新メンバーに繋いでいくことも役目だと思っています。今の夢は、いつか日本で国際大会が開催されればいいなと思っています!」