2017年12月14日(木)、川越市立川越西中学校(埼玉県川越市)において、当社所属の元車いすバスケットボール日本代表の三宅克己氏(経営企画部)、立川光樹選手(長崎支店)が講師となり講演・体験授業を実施しました。
これは、オリンピック・パラリンピック経済界協議会(事務局:経団連)を通じて、川越市と連携して実現に至ったもので、車いすバスケットボールを通じて「共生社会」「心のバリアフリー」を生徒たちに理解してもらうことを狙いとしています。
スポーツを通じた心のバリアフリー
講演会冒頭、校長先生より「障がい者に対して心にバリアはないか、スポーツとは何か、人生とは何か。今日の2名の講師の話を聞いて、それぞれが何かを得て欲しい」とお話があり、スタートしました。
「パラリンピックから得たもの~スポーツを通じた心のバリアフリー~」と題して、障がいを負った経緯、車いすバスケットボールとの出会いや、障がい者に対しての欧米と日本の考え方やマナーの違いなどについて、30分に渡りお話ししました。
三宅氏は、海外遠征等の経験談を交えながら、「海外では自分が障がい者と感じることは少ない。笑顔で挨拶されたり、街に出てもあたり前のように困った人を助ける文化がある。まず、できるところから。障がい者に限らず、困っている人を見かけたら声をかけてみてください」と話しました。
立川選手は、現役選手として「2020に出場できるよう頑張っていきたい。皆さん、応援よろしくお願いします!」と今後の目標を語りました。
そして、三宅氏から生徒の皆さんに伝えたいこととして「色々なことに挑戦してほしい。たくさん失敗してください。何度失敗しても、それが成功へとつながる。そして、感謝の気持ちを忘れずに!できれば一度、パラスポーツを競技会場で観戦してみてください!」と呼びかけました。
質問コーナーでは「日常生活で困ることは何ですか?」や、「急な坂では車いすをどのように操作していますか?」など次々に生徒たちの手が上がり、実際に車いすを操作しながら答える場面もありました。
後日、生徒の皆さんからたくさんの感想をいただきました。
「『日本は親切な国だ』と勝手な先入観を持っていたけれど、バリアフリーについて考えなければならないと思いました。障がいを負っても努力することを諦めなかった三宅さんはすごいと思います。今日の話は、心に留めていきたいと思います」
「『チャレンジして何度も失敗しても、それが成功になる』という言葉が心に響きました。色々なことにチャレンジして自分の夢を叶えたい!」
「障がい者は色々なことに困ると思っていたけれど、一人で生活できる方もいると聞いて驚きました。競技の映像も迫力があったので、実際に競技会場に行ってみたいと思います」
「生き生きとしている三宅さんですが、事故後は大変だったと思います。日本は『おもてなし』のある国だと思っていたけれど、外国との違いを聞いて驚きました。一人一人が意識を変えていかなければならないと思いました」
車いすバスケを体験!
体験授業では、三宅氏が「競技の魅力はスピードと激しさ」と説明し、実際に立川さんとぶつかって見せました。選手が車いすから落ちても試合が続行すること、ブレーキのない車いすを手だけで止める様子を生徒の寸前で止まって見せるなど、生徒たちはとても驚いた様子で見ていました。その後、生徒が8班に分かれて、実際に車いすに乗りながら鬼ごっこなどをして体験し、バスケットボール部に所属する男子と女子はシュート体験をするなど、大いに盛り上がりました。
生徒の皆さんから寄せられた感想です。
「とても楽しかったです。実際に車いすに乗りながらのシュートをしてみて、下半身を使わないでシュートする大変さを知りました」
「二人のデモンストレーションを見て簡単そうだと思っていましたが、車いす操作が思っていた以上に難しかったです。立川選手のロングシュート、かっこよかった」
「車いすに初めて乗ったので緊張しました。自由自在に操作する三宅さん、立川選手はとてもかっこよかった。大会にも行ってみたいと思った」
「実際に体験して、改めて選手のすごさを感じました」
体験授業を終えて、三宅氏と立川選手からのコメントです。
- ●三宅氏
「皆さんが温かく迎えてくださっとこと、嬉しかったです。講演では、生徒さん達は静かに熱心に聞いてくれて、最後には質問もあり、障がい者スポーツや多様性、共生社会について皆で考えるきっかけになればと思います。体験会では、笑顔あり、真剣にプレイする生徒さんありで、とても盛り上がりました。今回をきっかけに、障がい者スポーツに興味を持ち、応援に来てくれる人が増えると嬉しいです」
- ●立川選手
「今回初めて講演会をさせていただき川越西中学校の先生方や関係者の皆様に感謝しています。講演中には質疑応答等で交流し、体験授業では、とても楽しそうに体験してくれた生徒さん達と一緒にバスケットができ、自分にとっても貴重な時間を過ごすことができました。今回の講演を通して、改めてたくさんの人の応援があることを実感しました。少しでも応えられるよう日々精進していきたいと思います」
AD Challenge Supportでは、今後も選手とともに、全国で障がい者スポーツを通じた「心のバリアフリー」教育をおこなっていきたいと思っています。