当社は、2015年度より新入社員研修に「障がい者スポーツ支援講座」を実施しています。
10月31日(月)・11月8日(火)、新入社員470名が、フォローアップ研修で「障がい者スポーツ支援講座」を受講しました。
4月の講座では、「障がい者スポーツを知る」 ことを主な狙いとし、会社として支援している障がい者スポーツへの理解を深めました。
5月以降には、実際に会場で大会を“観て”、“感じる”ことを体感し、今回の研修に臨みました。
当社社員選手も登壇!
今回の講座では、障がい者スポーツへの理解促進のため、小野 智華子選手(人事部/競泳)・松本 弘選手(広報部/デフサッカー)も登壇し、3つのテーマで話しました。
1 .障がいがあることでつらいと感じた経験
★松本選手
「まず、皆さんが聴覚障がい者と聞いて連想するものは、手話、読唇術、補聴器が一般的だと思います。その補聴器をつけても、まったく聞こえない人から、補聴器をつければ電話ができる人もいます。しかし、私の周りや自身の体験では、『聞こえてるでしょ?』『言ってることわかるでしょ?』と言われることが多いのです。私のことを例にすると、補聴器をつけていても、はっきりと音の判別が出来ている訳ではなく、判別できた音と口の形から、単語を並べて頭の中で文章としてつくり、常に推測しています。もちろん、推測が外れて質問に対してまったく違う回答をしてしまうこともあります。この場合、違う答えが返ってきたら遠慮することなく伝えてほしいと思っています。
自分の意思を伝える姿勢・理解しようとする気持ちは、障がい者に対してだけではなく、誰に対しても大切なことなのではないかと思っています」
◆小野選手
「私は、小学校から専門学校まで盲学校で過ごしてきました。小学校に入るまでは普通幼稚園に通っていたのですが、小学校入学の際に、人とぶつかってしまうかもしれない、介助がないといけない、体育の授業は一緒にできないといった理由で断られてしまいました。現在は、このような例は少なくなってきていると聞いていますが、当時、ものすごく悔しかったことを覚えています。盲学校には、クラスメイトが2名しかおらず、たくさんの友達がいる普通学校に行きたかった。友達をつくりたいと思い、水泳を始めました」
2.どのような気持ちで当社に入社したか
★松本選手
「入社して1年4か月経ちますが、現在は職場のみなさまに支えられ、たくさんの応援もあり、良いコンディションで国内、国際大会に挑むことができています。もちろん、競技面だけではなく仕事でも周りの方にサポートしていただき、最近では自分で仕事を見つけて進めていけるようになりました。このように、障がい者と健常者がお互い思いやりを持って過ごせることは、当社の強みではないかと思っています」
◆小野選手
「私は、競技を続け、且つ、昨年取得した、あんま・マッサージ・鍼灸の国家資格を生かしていきたいと思い入社を決めました。現在は練習を続けながら、関連会社でヘルスキーパーとして勤務しています」
3.社員の仲間に知ってほしいこと、自分が皆さんに会社に貢献できること
★松本選手
「残念ながらデフリンピックの認知度は、国全体の2%といわれています。来年のデフリンピックでも選手たちは素晴らしいパフォーマンスが観られると思います。今日、私が話したことで、その2%が5%になるかもしれない。考え方ひとつで可能性が広がる。このような機会をいただき、会社、職場の皆さんの応援・理解を受け、本当に感謝しています。ベストコンディションで大会に臨み、最高のパフォーマンスを約束し、デフリンピックでは、世界一を取りたいと強く思っています」
◆小野選手
「以前に比べると障がい者スポーツに関心が高まっていると思っています。一人でも多くの方に興味を持っていただけるよう、私自身も競技で結果を残していきたい。また、当社ではたくさんの大会観戦を行っています。水泳に限らず、たくさんの競技を観てほしいと思っています。それから、ヘルスキーパーとしても社員の皆さんの体のケアをして恩返しできればと思っています。これからも応援よろしくお願します」
観て、感じて、考える!
選手の登壇に続いて、実際に観戦をして感じたこと、意識変化、当社の障がい者スポーツ支援への意義についてグループ毎にディスカッション、発表をしました。観戦をして感じたことについて、
「想像以上に激しいスポーツでした」「ルールに平等性があり、一つのスポーツとして楽しめた」という意見が多数あり、「選手がかっこよかった!」と意見も。
また、意識変化では、
「ゴールボールやブラインドサッカーでの音のない応援は、相手を思いやるコミュニケーションを考えるきっかけとなった」
「障がいは個性であることを実感した」「試合結果が気になるようになった」「できないと諦める前にまず挑戦してみようと思うようになった」という前向きな意見が多くありました。
そして、障がい者スポーツ支援への意義については、
「保険会社として、アクシデントからの再出発を保障するという点で親和性がある」
「当社の個性を尊重する風土に合っている」
「さまざまな視点を取り入れることで、商品企画・営業活動にも役立つのではないか」
「選手や大会を応援することで一体感の醸成につながる」
「経営理念の“社会の発展”に繋がる」と、活発な意見交換がおこなわれました。
当社は、障がい者スポーツ支援講座を通して、社会人として、また、一人の人間として、多様性を受け入れ、共生社会の形成に貢献できる人財に成長してほしいと思っています。