2016年6月19日(土)~7月2日(土)に「デフサッカーワールドカップ2016※」がイタリア・サレルノにて開催されました。
日本代表メンバーとして、当社社員 松本 弘選手(広報部所属)・松元 卓巳選手(福岡支店所属)が出場しました。
※4年に1度開催される聴覚障がい者のサッカーのワールドカップ。
ろう者サッカー世界選手権ともいわれる。
今大会は、各大陸の予選を勝ち上がった16カ国が参加しました。
予選は4ブロックに分かれて、上位2カ国が決勝トーナメントに進出します。
Aブロック ・イタリア ・イラク ・ドイツ ・ベルギー
Bブロック ・ロシア(デフリンピック優勝国) ・日本 ・ギリシャ ・アメリカ
Cブロック ・ウクライナ ・イラン ・イギリス ・エジプト
Dブロック ・トルコ(前回優勝国) ・サウジアラビア ・スウェーデン ・アルゼンチン
日本代表チームは15日に出発しイタリア・ローマに到着。翌朝からローマ市内の日本人学校訪問し交流会を行いました。午後はローマ市内のサッカー場で練習をおこない、17日に開催地サレルノへ到着しました。
19日に開会式には、各国全選手が参加し盛大におこわれました。
強豪国に挑んだ予選リーグ
予選リーグ初戦はアメリカ。
松本選手はワンボランチ(攻守の要)で起用されました。
日本チームは、序盤は好調でしたが、ミスから失点を許し、後半は攻めるも決定機を外し0-1で敗戦。
2戦目は世界ランク2位のロシア。
ロシアチームは、2013年デフリンピック王者の強豪国。
松本選手はダブルボランチの一枚として、松元選手はゴールキーパーで出場しました。
日本チームは先制し、PKから追いつかれるも、追加点を奪い、前半を2-1で終了。
しかし、後半は、王者ロシアの猛反撃を受けロスタイムで逆転され2-3で敗戦。
その結果、予選敗退が決定しました。
3戦目はギリシャ戦。
松本選手はセンターバックとして起用されました。
日本チームは、一勝も出来ないまま帰れないと円陣を組み、全員が何が何でも勝利するという気持ちを持って挑み、2-1で勝利することが出来ました。
下位トーナメントではアジア最上位を目指して
下位トーナメントの初戦は開催国イタリア。
松元選手はキャプテンマークを巻きゴールキーパーとして出場していましたが、松本選手は試合直前のルール変更により出場できず、ベンチで見守ることに。
アウェーの洗礼を受け、トラブルが続出する中健闘しましたが、結果5-2と敗戦。
最終戦(11・12位決定戦)はサウジアラビア。
松本選手はセンターバックとして復活。
今大会、アジアから4か国参加したなかで、このサウアラビア戦は実質アジア最高位をかけた試合でした。
日本チームは、「圧倒的に勝ちたい。来年のデフリンピックに向けてつなげたい」という目的を持って挑みました。
結果、5-0で勝利。
最終成績は16か国中11位、2勝3敗で今大会を終えました。
大会終了後、両選手のコメントです。
●松本 弘選手
「私にとってサッカーでのW杯出場は初めてでした。デフリンピックとは違った雰囲気でしたが、各国新しい顔ぶれも出てきて、全体的にレベルがあがっていました。
個人のパフォーマンスでは、ポジションが守備型ということもあり得点こそありませんでしたが、累積で出れなかった試合を省くと全4試合フル出場することができました。
出場した試合では自分の役割はしっかり出来たと胸を張っていえます。ただ、結果が求められる意味では内容よりも勝利がすべてです。
勝てなかったというより勝ちきれなかった。リードしているとき、負けているとき、チャンスをつかむかどうか。ピッチ上の選手達に迷いがありました。音を聞くことができない中で、アイコンタクトが重要視されるのに下を向いていたり、目の前の敵に必死で普段以上より首を振る回数が減ったりとアイコンタクトや手話によるコミュニケーションが足りなかった。
昨年フットサルのW杯決勝戦を観戦して感じた、感動を与えるプレーの中でもコミュニケーション、ボディランケージ、アイコンタクト、があって僕たちのサッカーがあると感じました。
応援して頂いた皆様に良いご報告が出来ず残念でしたが、ここまでしっかり準備が出来た環境に感謝し、また来年デフリンピックという大きな大会に向けていい準備とベストパフォーマンスを維持し、次の目標に向かって突き進みたいと強く感じました。
ご声援ありがとうございました」
●松本 卓巳選手
「17歳で代表に選出されて10年目。デフリンピックという世界の舞台は2度経験していますが、デフワールドカップは初出場でした。また、チーム副キャプテンとして初の世界戦でした。個人としても結果を求め、チームとしても当然メダル獲得を目標に大会に挑みました。チームが試合をしやすい雰囲気づくりを行い。オフの時も含め全選手と常にコミュニケーションをとることを意識しました。
W杯は、デフリンピックでは戦えないヨーロッパの国と試合ができるまたとない機会でした。
私は、5試合中2試合に出場。特に、強豪のロシア戦では、ロスタイムにでの失点は、勝てた試合を落としたという責任とショックは大きかったです。王者相手にここまで戦えたという自信にもなりましたが、「試合が終わる数秒まで諦めない。自分たちのサッカーをやりきる強いメンタル」これが世界王者になるために必要なのだと実感しました。
最終順位は、16か国中の11位。貴重な試合に出させていただけましたが結果で応えることができずに本当に申し訳ないです。
ただ、私たち代表チームが目指している方向は間違っていないと確信できました。世界と戦える力がついてきていると思います。来年はトルコデフリンピックです。今からの一年間を大事に過ごし、必ず結果を残します。
今大会応援をしてくださった皆様、本当にありがとうございました。結果で応えることはできませんでしたが、来年にむけて準備をしていきたいと思います。引き続きデフサッカー日本代表の応援をよろしくお願いいたします」
AD Challenge Supportでは、今後もチャレンジし続ける松本 弘選手・松元 卓巳選手を全力で応援していきます。