良き理解者に支えられ、病と付き合いながらの競技生活

 最近、30年来の幼馴染が私のことを「気持ちを表に出せるようになってきた」と言ってくれました。健常者だった頃からの自分を知っている彼がそう言うのですから、本当に変わったんだろうなと思います。彼とは小学生の頃からずっと仲良くしてきました。病気に気付き、車いす生活になったのが27歳の時。途端に離れていく人がいる中で、彼はずっと同じように付き合ってくれました。ダンスも見に来るかって?いえ、それは絶対ダメ!恥ずかしいので来させません(笑)。彼の奥さんと3人の娘さんも車いすに理解があって、自分を受け入れてくれます。私が落ち込んでいる時には「ご飯食べに来なよ」と奥さんが声をかけてくれて、大事にしてくれます。私にとって、本当に大切な存在です。

 ダンスも人生と似ていて、山あり谷ありです。まだ始めて1年半ですが、なかなか思うように練習環境が整わず、こんな辛い思いをするならダンスを辞めようかと思ったこともありました。でもやっぱり踊ると楽しいし、応援して励ましてくれる友達もいる。ここで辞めてしまってはいけないという思いも持っています。それに、車いすバスケや車いすテニスは皆さんに知られていますが、車いすダンスはまだまだ知られていない存在です。ですから、これから車いすダンスを広めていくことも私の仕事だと考えています。

 そういった意味でも、当社(あいおいニッセイ同和損保)の障がい者スポーツに対する理解・サポートは本当にありがたいです。一人の力だとなかなか物事は前に進んでいかないけれど、色々な人に協力してもらえば何でもできる!盛り上がりもがぜん出てきます。このサイトを見て、一人でも多くの人が車いすダンスに興味を持ってくれたらいいなと思っています。

 私の場合はケガや事故ではなく、病気で車いす生活を送っています。“病気”でスポーツをやっている人って、よく考えてみるとあまりいないですよね。車いすダンスは私のような“病気”であっても比較的に体に負担をかけずに楽しむことができます。しかも、気持ちが前向きになれて自分に自信が持てるようにもなります。私は情熱的に踊るラテンが好き。感情を音楽に乗せながら踊るのが楽しいんですよ。皆さんも内面にある自分の気持ちを踊りにのせて、一緒にダンスを楽しんでみませんか。