人生で初めてマラソン中心の生活がスタート
目標は、自己記録更新と世界陸上でのメダル獲得目指すは、オンリーワンのプロランナー!

プロランナーに転向するメリットは数多くありますが、一番大きいメリットは「時間」だと考えています。これまではやりたい練習が頭の中にあっても時間の関係で7割、8割しかできないことが多くありましたが、そうした悩みが解消されます。遠征のために休暇を取ることで、職場の同僚に迷惑をかけてしまうことは避けなければならない、という悩みも解消されます。これまでは3連休などを利用するなどして、長くても3泊4日しかできなかった強化合宿も、より長くできるようになります。実際に今年の夏は涼しい釧路で約2か月の長期合宿を計画しています。人生で初めての長期合宿を夏場に組むことで、秋以降、飛躍的に走力をアップさせることができるのではないかと期待しています。

また、これまでは「練習」か「治療」か、という究極の選択に常に迫られていましたが、時間的制約が緩和されることで「練習も治療も」という第3の選択をすることができるようになります。さらに、仕事と練習の両立のためにほとんど断らざるを得なかった講演やイベントも、引き受けることができるようになります。もちろん、講演やイベントに追われて、練習に支障が出てしまっては本末転倒になってしまいますが、これまで仕事をしていた時間を使えば、練習と治療の時間を確保しながら、講演やイベントの時間もある程度確保できると思っています。

「競技」の具体的な目標としては、2つあります。1つ目は、6年以上更新できていない、フルマラソンの自己ベストの更新、及び、2時間7分台の記録です。日本記録が2時間5分台となった今では、数年前と違って、低い目標だと思われてしまうかもしれません。しかし、私にとっては11年からずっと思い続けてきた目標であり、市民ランナーとして届きそうで届かなかった目標でした。ですので、プロランナー転向の大きな理由の1つでもあるこの目標は、必ず達成したいと考えています。そのためにも、今後はスピードを強化するとともに、十分な距離を走り込み、スタミナと自信をつけていきたいと考えています。そして、自分自身の武器である「経験」を活かし、レースに挑みたいです。

もう1つの目標が、2021年ユージーン世界陸上でのメダル獲得、及び、世界中のハイレベルなレースでの活躍です。世界陸上に関しては17年のロンドン世界陸上で8位入賞まであと3秒差の9位というところまで迫っています。プロランナーへの転向を機に、世界陸上で必ずや8位入賞を果たし、さらに、2年半の時間をかけて競技力を強化し、2021年の世界陸上ではメダルを獲得できるような強い選手になりたいと思っています。もちろん、世界陸上だけでなく、ボストンマラソンのようなハイレベルな世界的レースでも、これまで以上に活躍したいと考えています。マラソンは五輪と世界陸上以外にも数多くのハイレベルな大会があります。そうしたレースでどこまで結果を残すことができるか、自分自身の可能性にチャレンジしてみたいと思っています。

私は競技の普及を目指して、あいおいニッセイ同和損保とともに全国行脚する「マラソンキャラバン」という計画を掲げています。私自身の目標を達成することや、達成する過程で得た経験や知識を、この「マラソンキャラバン」を通じて、日本全国の方々にお伝えしていきたいと考えています。また、故障をして悩んでいた、高校時代の私のようなアスリートに、スランプを脱するキッカケとなる考え方や見方も伝えていきたいです。人々にこうしたメッセージを発信していくことも、プロランナーとしての大切な役割だと考えています。現状を打破し、こうして私の人生で初めての「マラソンを中心とした生活」が始まりました。自分自身の理想を実現できるよう努力し、より強く、より速い選手を目指していきます。そして、日本全国・世界各国を飛び回る“オンリーワン”のプロランナーとして、自分自身の信じる道を突き進んでいきます。日本、そして、世界のどこかで皆さんとお会いできることを楽しみにしています。