元視覚障害者柔道・石橋元気さんが
「第28回ふれあい広場」にて講演!

2024年01月10日
講演の様子

2023年12月2日(土)、ふじみ野市障害者週間推進事業「第28回ふれあい広場」が、ふじみ野ステラ・イーストで開催され、元視覚障害者柔道の石橋元気さん(人事部)が講演を行いました。

本講演は、2023年2月にふじみ野市と締結した包括連携協定に基く協働事業として、主催者である障がい福祉課より講師派遣の依頼を受けたものです。障害者週間に合わせて28回目という歴史のあるイベントであり、開催趣旨が当社の共生社会の実現に向けた地域貢献取組を合致するための協働事業になります。会場は参加団体の物販ブースや体験コーナーで賑わいのある中、講演会ホールには障がい者・健常者問わず市民、イベントへの参加団体関係者中心に約40名が集まりました。司会は障がいのある方が担当され、石橋さんの横には手話通訳される方がともに登壇し、また話の内容を手書き文字で映し出すモニタも設置されていました。

 

会場の様子

石橋さんは「置かれた場所 ~視覚障がいを通しての気づき~」というテーマで、自身の障がい、柔道を始めたきっかけ、引退後、何を考え、何を目標としているかを語りました。

石橋さんの視覚障がいは、小学校の先生から指摘を受けて検査したところ、進行性の障がいであることが発覚したそうです。そして柔道を始めたきっかけは、目が見えなくなるのなら心を強くするために柔道をやらせようという両親の想いがあったと話しました。
あんまマッサージの資格を取得するために通った盲学校は、完全バリアフリーの設備であること、音や声、触覚に頼った学校生活、世代や見え方の異なる同級生のエピソードなどを紹介しました。
また、視覚障がい者柔道特有のルールについても説明、会場に参加していた柔道経験者の方と共に組み手をくんで、競技の雰囲気を伝えました。

視覚障がい者柔道とは
組み手の様子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年、東京パラリンピック出場をかけ、男女7階級、各級1名選出に向けてライバルとポイントを競っていた中、思うような結果をだすことができなかったために退いた石橋さん。引退後は会社のヘルスキーパー業務だけではなく、このような講演会イベントに登壇したり、小中学校向けのボッチャ体験などを通して、パラ競技の啓発活動にも取り組んでいると話します。東京パラリンピック開催に向けて、東京都に対して避難訓練のアドバイスも直接行なったとのことで、機会があれば積極的に参加をして発信していきたい、と伝えました。

一方で、引退後、本気で取り組むものを見失いつつあった自身の心の葛藤にも触れました。小さい事から絵をかくことは好きだったけれども、いずれは目が見えなくなると言われ、目を背けていたと話します。しかし、このまま目が見えなくなることを理由チャレンジすることをやめるのはもったいないと、気持ちを立て直し、今はCGの勉強を全力で頑張っている、と話しました。「柔道ではないけれども、死に際を考えて行動しないと、いつか尾をひいて後悔することが沢山あると思う。どんな時でもやりたいという本音の部分は、自分に素直にいかしていきたい。病気の進行はあるけれども、やらない方が後悔すると思うのでやりはじめた」と、現在の自身の在り方について、熱い想いを語りました。

参加者からの「共生社会についてどう考えるか」という難しい質問に対しては、「自ら困難を伝えれば、周囲の方々は対応してくれる。健常者にはわからないこともあるので、負い目を感じず自ら発信する、声を上げていきたい」と回答しました。

質疑応答の様子
石橋さんのCG作品

 

 

 

 

 

 

 

 

○参加者からのコメント
障がいがあっても心も体も強く生きている姿勢やご両親の愛ある支えに感動しました。
障がいを持つ方が「何をしてほしいのか」聞く耳を多く持っていきたいです。

○埼玉西北支店 地域戦略室TC長コメント
市長も認識している歴史あるイベントにおいて、共生社会の実現という当社のサスティナビリティ取組に合致する協働事業に参画できたことを有り難く思います。

 

AD Challenge Supportでは、今後もパラスポーツを通じた「共生社会の実現」に向けて様々な発信をしてまいります。

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