2021年12月21日(木)、デフサッカー・松元卓巳選手(福岡支店)が、埼玉県立松伏高等学校にて講演・体験授業を実施しました!
当講演は、埼玉県教育局の主催による「令和3年度 夢と豊かな心をはぐくむ講演会事業」として、講師を学校に招き、実体験に基づく話を通して、子供たちに夢に向かって努力することや、命を大切にすることへの考えを深めることを目的として実施されました。
当日は2、3年生360名、教職員20名が会場で参加し、1年生180名はリモートで参加しました。冒頭、若菜校長先生から松元選手を紹介いただき、「様々な人の心を思いやるバリアフリーが求められていることを理解し、生徒一人ひとりが共生社会へ貢献することを期待したい」と述べられました。
講演は「デフサッカーから得たもの~スポーツを通じた心のバリアフリー」をテーマとして、松元選手と生徒との対話形式で行われました。
クイズや質問を投げかけ、生徒自ら考え答えを導き出すという全員参加型の講演会となりました。
松元選手は、デフリンピックとパラリンピックの歴史や違いを説明し、「現在パラリンピックの認知度は高いがデフリンピックはあまり知られていない。是非知って欲しい。」と想いを伝えました。
また聴覚障がいについては大きく3種類あり、程度によって異なることを説明し、「自分は混合性難聴で補聴器がないと聞こえない。補聴器は収音としての機能なので前からしか聞こえず、後ろからでは何を言っているかわからない。」と具体的に自身の状況を伝えた上で、聴覚障がい者がどんな事に困っていて、どのように接したら良いか、生徒全員でアイデアを出し合いました。
松元選手は特に自然災害時に情報を得ることや、現在のコロナ禍ではマスクで口元が見えないためコミュニケーションが難しいことを挙げ、手話がコミュニケーション手段として重要であることを伝えました。
手話体験では基本的な挨拶を学び、「手話は由来を知ると覚えやすく、また動作に表情を加えると良い。」とアドバイスしました。
最後に今後の日本代表としての目標と、生徒へ想いを伝え、「障がい者も健常者も皆同じ人間であり個性や役割がある。高齢者や妊婦、LGBTの人も皆一緒である。」と共生社会への理解を求めました。また「夢を持つことの素晴らしさ、それに向かって努力することの大切さ」が参加した生徒全員の心に響いた講演会となりました。
★生徒の皆さんからの感想(一部抜粋)を紹介します。
「私の母は障がい者施設で働いていて、障がいを持っている方についてよく話をしていたので、障がい者(パラ)スポーツも知っていましたが、やはり松元さん本人から聞くとよくわかり、デフサッカーに興味が出ました!また補聴器は大きく聞こえるだけと初めて知ったので、これからマスクを外して口を見せてもっと伝わりやすいようにしていこうと思います。」
「障がいは個性!!素敵な言葉だと思いました。差別がない全員が生きやすい社会になって欲しいです。今日知れたことをみんなに話して、もっと理解する人が増えたらいいなと思いました。レギュラーで金メダル頑張ってください!」
★社員コメント
「最初は緊張していた生徒たちも、松元選手の明るさ、お話の上手さ、工夫されたプレゼンにより、すぐに雰囲気も和らぎ1時間半の講演中終始目を輝かせながら選手を見ていた生徒たちの姿が印象的でした。また難聴にも種類があり、その聞こえ方を音で表現するのではなく文字として可視化する等、伝え方が工夫されている点も面白かったです。聞いていた生徒たちに多くの学びと気付きを届けられる、とても素敵な講演でした。」
AD Challenge Supportでは、今後もパラスポーツの魅力を伝えるとともに、「共生社会」「心のバリアフリー」教育に努めてまいります。