デフサッカー松元卓巳選手が上智大学にて
連携講座のゲスト講師として登壇!

2023年05月16日
教室の様子

2023年5月9日、上智大学にて、デフサッカーの松元卓巳選手(福岡支店)がゲスト講師を務めました。連携講座は「パラアスリートと考える障がい者スポーツと共生社会」をテーマとし、受講生の皆さんには、スポーツ領域を契機とした接点機会として当社所属パラアスリートの生の声を聞いてもらいました。

当社と学校法人上智学院とは 2018 年 9月に包括連携協定を締結し 、傘下の上智大学において 、当社の特色である障がい者スポーツの支援を通じた共生社会の実現に関する連携講座に関する連携講座を開講するなど、人財育成に共同で取り組んでいます。
6年連続で開講している本講座は、学生の登録倍率が約8倍の人気講座で、教室は受講生でほぼ埋め尽くされていました。

 

今回の講義は、「音のない世界で伝わるもの~デフサッカーを通して~」と題し、デフリンピックの歴史や、デフサッカーとの出会い、自身が抱える聴覚障がいについて説明をしました。

講義では、松元選手から「自分の考えを教えてくれる人はいますか?」と丁寧にアプローチしながら学生の皆さんと交流しつつ進められました。

会場を和ませながら話をする松元選手
受講生へ質問する様子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自身の障がいについては実体験だけではなく、難聴の種類や音と聴力のレベル表や文字の種類と色で表したスライドを用いながら、聴覚障がいについてわかりやすく説明をしました。
そして耳の不自由な人と話すときは?という問いに対し、「目を合わせて話すこと」「口を大きく開けて話すこと」の大切さと、「筆談」や「手話」を活用してほしいと語りました。

周りの人たちの助けがあり、あらゆる困難を乗り越えてきた松元選手からは「聴覚障がいはきこえないのではなく、きこえにくい障害で見えにくい障がいである」補聴器は拡声器のようなもので、完全にきこえるようになるわけではない」「(自分はことばの教室に通っていたおかげで話せるが、)聴覚障がい者はしゃべるのが苦手な人が多いなど、当事者としての思いを伝えました。

後半は、「おはよう」「こんにちは」など簡単なあいさつの手話体験も実施しました。レクチャーした手話は単語を組み合わせたもので(ex.「おはよう」=「朝」+「挨拶」)、松元選手がそれぞれの動きの意味を説明すると、受講生は頷きながら手話に挑戦していました。松元選手からは「手話の由来を考えるとイメージしやすくておもしろい」と伝えました。

デフサッカーはまだまだ認知度は低く、日本代表でも選手に経済的負担がある現状の中で、自身が日本代表を続ける理由として「自分を成長させる大切な居場所」と語りました。また最近のホットなニュースとして、サッカー日本代表と同じデザインのユニフォームの着用できるようになった喜びを伝えるとともに、「2025年にデフリンピックが東京で開催されるので、応援をお願いします!」と話を締めくくりました。

手話体験の様子
デフサッカーへの熱い思いを語る様子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~講義終了後のリアクションペーパーより一部抜粋~

松元選手は凄く自信に満ち溢れているのが伝わって見習うべきだと思った。特別扱いをするのではく、普段よりも気遣いをすることを意識していくべきだと思った。」(3年男子学生)
「マイノリティの立場にいる声を聞くことができて、新たな発見が多かった。また、松元さんの「自分は障がい者だとは思っていない」という発言から、物事は捉え方だということを痛感した。」2年女子学生)
「みえにくい障害」という名の通り、知らず知らずのうちにそのような人たちともかかわっていたのかもしれないと思った。」2年男子学生)
「デフサッカー日本代表とサッカー日本代表の待遇の差を知って、不平等に感じた。優劣つけるという風潮を変えるための対策を早急に考える必要がある。」1年女子学生)
「障害のようなわかりやすいものではなくても、コンプレックスや性格、不得意をマイナスに感じる必要は一切なく、人と比べるべきではない。お互いに手を取り合っていける世界が目指すべく共生社会なのではないかと感じた。」4年男子学生)
「松元さんの心の強さが印象に残った。難聴を抱えているからこそ、人の話を聞こうとする姿勢が非常に丁寧で、尊敬できる素敵な人だと感じた。」4年男子学生)
「聴覚障害の症状も想像以上に複雑。健常者が聴覚障害や聴覚障害者についてより理解を深めることが必要だと思った。」2年男子学生)
「障がい者スポーツに興味が湧いたので、2025年のデフリンピックでは、直接その熱気を味わいたい。」1年女子学生)

 

AD Challenge Supportでは、今後も所属アスリートとともに、パラスポーツを通じた共生社会・心のバリアフリー教育に努めてまいります。

関連記事